2008年2月17日日曜日

【霧島連山】霧島連山(後編)

●8:00
起床!朝食!
朝食はバイキングで好きなものが選べるのでちょっと安心した。
天気も一日目と打って変わって快晴!
泊まった部屋から外を見ると、逆光でアイススケート場を滑っている人達がシルエットで見えて何だか気分が良い。

昨日tkc'Zの愛車に付けていたチェーンを取り外し、9:30頃に出発。


●10:20
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昨日下山した「高千穂河原」に到着。
駐車場の料金所には昨日タクシーの電話番号を教えてもらった、超愛想の良いおばさん。
ほんの昨日の事なのに僕たちの事を憶えてなく、明らかに初対面な対応をとられてちょっと凹んだ。

ここ「高千穂河原」には天孫降臨したニニギノミコトを祭る「霧島神社」の古宮址が奥にあり、そこから右の方に道を進むと「高千穂峰」の登山道になっている。
手前にはビジターセンターや、お食事処などもある。

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お食事処にはおじいちゃんが一人で働いていて、山頂で食べるおにぎりを注文する。
しかし、このおじいちゃん何やら様子がおかしい。
注文するがマイペースでゆっくりと肉まんの機械に水を足している。
まぁお年寄りだし、マックでもないし。
ゆっくり待つことにして外でタバコを一服。
数分後、若い団体のお客さんがドドォーっとお店の中に入り込む。
おじいちゃんはあまりの注文の多さにあわてて、注文表に直接注文の品を書いてもらっていた。
10分位経って明らかに様子がおかしいと気づき、中に入る。
このおじいちゃん僕らのおにぎりを完全に忘れている…。
カウンターの前でおじいちゃんの様子を伺っているとおじいちゃんが不思議な顔をして一言。

「何か?」

「あの~おにぎり三人分頼んだんですけどぉ~。」

「ごめんねぇ~、いまこっち(団体)のお客さんの分作ってるんですよぉ~。」

「いや、団体さんが来る前に注文してたんですけどぉ~。」

おじいちゃんは何も言わず、ほけぇっとした顔でこっちを見る。

やっぱりボケてた。
なんとも悲しい。

結局、山頂で食べる昼食はあきらめる方向に!


●10:35
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「霧島神社」の古宮址の鳥居から右に行き、登山道に入る。

古事記によると、「高千穂峰」は天孫降臨の地で、アマテラスの孫ニニギノミコトが初めて天から降り立った場所とされる。
その後、その血を受け継ぐ磐余彦が日向国(宮崎)から出て、大和の国を征服し初代神武天皇になったげな。
史実はわかりませんが、興味ある方はwikipediaでも調べてください。

そして、知っている人は知っていると思うが「高千穂峰」の山頂にはそのニニギノミコトが突き刺した「天の逆鉾」と言う青銅製の剣がある。

奈良時代から書面上で存在することが確認されており、坂本竜馬が(日本で最初の)新婚旅行で訪れた時にその「天の逆鉾」を引き抜いたらしい…。

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途中から、石段だった登山道が傾斜の激しいガレ場に変わる。
このジャリ道が非常に厄介で足場が何度もすくわれる。
途中からある程度固まった溶岩が見え、その上を歩くと足場が安定しているため歩きやすかった。


●11:00
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高千穂峰の西側にある御鉢に到着。
御鉢とは火口のこと。
この火口も結構大きくて、火口湖にはなっていないが奥の方からは煙が吹き出ていた。

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一日目と同じように、火口の周りを時計回りで進む。
ここまでくると高千穂峰が間近で見えて、その偉大さと傾斜の激しさに圧倒される。
そして思う。
富士山はどんだけデカいんだと。笑

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御鉢から高千穂峰に進む。
中間地点には真新しい鳥居があった。

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ここからの道もまたまた傾斜の激しいジャリ道で足が少しイボって滑る。
途中からは雪が少し残っていて、先導を歩くtkc'Zが団子を作り投げてくるが非常に軽くあったた感覚がしない。
こんなに細かい雪ははじめてみたかも。


●11:40
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「高千穂峰(1574m)」登頂。

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山頂にある小さな鳥居の先には石で積み上げられた「天の逆鉾」が!
日本の国旗が掲げられていたりして神聖な雰囲気がした。
が、意外とあっさりとしていたのも事実。
山頂からの展望は360°パノラマで南を向いたら桜島がはっきりと見えた。
最近噴火したとニュースであっていたが、全く噴煙は見え無かった。

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横には不定期で営業している山小屋があるんだけど行った時は開いてませんでした。
ちょっと残念。

しばらく、山頂を楽しんで12:10頃に下山開始。
途中何度も転んだ様子を動画に撮ったんだけどaviなのにYoutubeに何故かupできませんでした。
あしからず。


●12:50
登山口「霧島神宮古宮跡」に到着。

鳥居の前の石段で休んでいたら、子供連れの家族6,7人が鳥居の方から降りてくる。
何とこの人たちの格好が全身真っ白!!
全員白の綿パンで親は白のウインドブレーカーやダウンコート。
子供達も見事に白を着こなしている。
あまり多くのことは語らないが、そんな右肩あがりの雰囲気はプンプンしていたから仕方ない。
映画「凶器の桜」の中でしか観た事なかったから衝撃的で、あっという間に登山後の高揚感が吹き飛んでしまった。笑



霧島はその形状が非常に不思議(奇妙)で面白かった。
興味のある方はGoogleEarthで覗いて見てください。
九重よりも遠いが、尾根沿いで連なっているため、天候が良く体力があれば一日で韓国岳~高千穂峰までの縦走も可能なんじゃないかと思う。

そしてね、大変痛いことにカメラがイカレはじめた。
絞るごとに右下に黒い点がハッキリと浮き出る。
ここに載せた写真で写ってたものは全て修正したけど何だかなぁ~。
CCDにチリかホコリが入ったんだろうなぁ~。

昨日の朝、TV番組で天気予報士の手嶋さんが九重の御池に行く様子があっていた。
天候が非常に良く、積雪が30cm以上。
御池は完全に凍結していてアイススケートリンク化していた。
うらやましすぎるぜ~!!


ってことで、九州で泊り掛けが必要なのは残すところ祖母と屋久島宮之浦岳か?
しばらくは一日で登れる山に絞りそうです。
とりあえず、早めに宝満山の難所ヶ滝の様子を見に行かないと。

2008年2月12日火曜日

【霧島連山】霧島連山(前編) ~韓国岳~

九重登山が終わり、数日後。
近所のジョイフルにてtkc'Zが
「韓国岳(霧島)登りたくない?」

って事で行ってきました霧島!


9日(土)
3:30
4時までのETC深夜割引を利用すべく、tkc'Z宅に30分前にH氏と集合。
ところが今回の登山の言いだしっぺ、tkc'Zがまさかの寝坊。
4時過ぎに起きやがったので通常料金。
出だし最悪の中、出発。

霧島は宮崎県と鹿児島県の県境にあり、高速で約200kmと意外と遠い。
熊本の南の所からトンネルが23箇所続くんだけど、tkc'Zはトンネルの名前を全て暗記していた。
以前親の実家に帰省した際に、暇だったから全部覚えたらしい。


7:20
えびのI.C.を下り、山道を抜けえびの高原に到着。
それにしても天候が悪い。
ガスがかかり、雪もチラホラ。
なんで僕らは毎回こうなんだと少し鬱になる。
あまりの人のいなさと登山口駐車場のひと気の無さに心配になり、時間を潰すことに。
本日泊まる予定のホテルに車を泊め、寝る。


10:50
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天候は全く変わらないが登山口駐車場に車がチラホラ見え出したため登山開始。
韓国岳(からくにだけ)を目指す。

はっきり言って状況は前回の九重よりも酷い。
積雪も寒さも風も前回を上回っていた。
視界もガスで非常に悪い。
そして、風邪で体調が悪い。

薄い雪の上を歩いていたのだが5合目位からツルツルと滑り出す。
手で足元の雪を掻き分けると地面が氷の膜で覆われている…。

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広いスペースのあるところでアイゼンを装着。

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物凄い霧氷が岩にへばりつく。
こんなの見ちゃうとゲーム世代の僕らはすぐにプリザドとか言っちゃうんですよね。


11:00
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韓国岳山頂(1700m)に到着。
すぐ横には大きな火口と、反対方向には直径が1kmにも及ぶ火口湖「大浪池」が見えるはずだがこんな状況。
当たり前のように見えません。
もう慣れっこですんで何のこっちゃありません。
が、毎回登山が終わったと言うんですよね。

「晴れた日にまた来たいね。」

登山前の予定では天候が悪いので韓国岳まで言ったら引き返えすつもりだったのですがココまで来たらさすがにMountain High。
年配の登山者(福岡出身)からの「あんた達若いっちゃけん~」と言われ、高千穂河原まで縦走することにしました。

風邪ひいてる僕は着たら暑いわ脱いだら寒いわで体の体温がイカレてて、本当にしんどかった。

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下るにつれて路面の凍結、ガズも無くなり曇り空だけど視界も良好に。
遠くの高千穂峰の山頂が雲の間からたまに見える。
高千穂峰は今まで見たどの山よりも美しく、神秘的だった。
きっと九州の山では一番カッコ良いんではなかろうか。


12:40
獅子戸岳山頂(1428m)。
反対方向から韓国岳に来た韓国人の足跡(sirioのソール)を頼りに到着。
朝、基山S.A.のローソンで買った昼御飯を頂く。
吹きさらしの風邪があたりとにかく寒い。
相変わらず、風邪で体温が行ったり来たりを繰り返す。

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休憩後、先に見える新燃岳に向かう。


13:00
新燃岳(1421m)山頂。

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到着した瞬間、絶句。
巨大な火口と中心部にはエメラルドグリーンに似た火口湖。

霧島は平気でこんなのがいたるところにあるのだが、ガスがかかってたので今まで歩いた道のりにあったものはほとんど見逃していた為、物凄い感動。
そして火口の周りを歩くと、やっと雲がとれ全容をあらわした高千穂峰。
霧島一帯の異様な光景には圧巻です。
きっとGoogleEarthで見るとクレーターばかりの月のように様に見えるに違いない。

しかし、風が強すぎる。
吹き飛ばされそうな風がとめどなく吹き荒れる。
tkc'ZとH君は風を正面に浴び、日の丸飛行隊の真似をしてスキージャンプの疑似体験を楽しんでおりました。

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残すは手前の中岳のみ。


13:40
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中岳山頂(1345m)到着。
中岳までの登山道は木の階段になっており、非常に歩きやすく、途中走ったりもした。
中岳も一応火口があるのだが、全く深くなく台形のような形をしていた。
晴れた日は近くの桜島も見えるはずだが曇り空で見えなかった。


14:50
高千穂河原に下山。
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なんとココには登山者にはとっても嬉しい足洗場があり、登山靴の汚れを落としまくる。
コレはほんとにありがたかった。
雨ヶ池付近の泥汚れがとてつもない九重にもあったらいいのに。

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ここは天孫降臨伝説のある高千穂峰の麓で、奥に少し進むとニニギノミコトを祀った霧島神宮の古宮址があり、神聖な雰囲気をかもし出していた。
鳥居の形も天皇家の御陵にあるようなシンプルなものだったが、宮内庁が直接管理していない点が信憑性に欠ける。
それが観光スポットとしては物凄く面白いのにイマイチ表に出ない一つの理由なのか。
祭壇の上には黒霧島と塩と米が供えてあった。

バスが動いていないみたいなので駐車場の料金所にいるおばさんにタクシーの電話番号を聞く。
ここのおばさんが非常に愛想が良く、宮崎県の好感度がグーンとアップした。

タクシーを待つ間にビジターセンターの展望台に行く。
展望台の望遠鏡からは天の逆鉾が見えたが意外と意外と近いところにある。
これが思わぬ落とし穴になるとは次の日高千穂峰に登るまで気づかなかった。

タクシーに乗り、えびの高原へ。
タクシーのおじいさんもとても愛想の良い可愛らしいキャラクターで会話が弾む。
どうやら東国原知事は実際県民に大きな活気と経済効果をもたらしているみたいだ。


16:00
登山口に止めていた車に乗り、えびの高原温泉ホテル(旧?国民宿舎 えびの高原荘)に到着。
九重の法華院温泉山荘とは違い、暖房もTVも冷蔵庫もある!
それは山小屋じゃないので当たり前なんですけどね。

前日買ったビールを飲みまくり、風呂に入る。

その後、待ちに待った夕食。
無駄に高級感を出そうとがんばったのは分かるが、おいしくない…。
着飾った白いテーブルクロスをめくると会議用の折りたたみ机…。
そして苦笑いしながら食事を持ってきた人の「何かみえました?」のコメント…。

質素だけど素材を生かした法華院の夕食の方が100倍うまかったです。

Japanese break time
部屋に戻り、tkc'Zが持ってきた秘密兵器JETBOILで作ったチキンラーメンの方がおいしかった。
眠たさを堪えながらビールをまた飲み飲み。

途中からNHKのBSであっていた在日朝鮮人のドキュメント番組が非常に興味深く、前日一睡もしてなく風邪ひいてるのにもかかわらず気づくと4時に。
他の二人はとっくの前に寝ている。


明日は高千穂峰だ。
(後編に続く)